[東大生の本棚] 東京大学「80年代地下文化論」講義 by 宮沢章夫

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東京大学「80年代地下文化論」講義
宮沢 章夫

東京大学「80年代地下文化論」講義
白夜書房 2006-07-18
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おすすめ平均 star
star“時代のヘゲモニー”は「文化」から「資本」へ移行完了
star感想として
star白夜書房が本書を出したっていうところに因縁を感じる

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一言:
鳥瞰図でも地下鉄図(不可視のインフラ、システム図)でもなく、
おたくとは逆の極にいた一人の個人、
宮沢章夫の地理感覚で描かれたストーリーとしてのヒストリー


サブカル関係で固有名詞も満載にしては読みやすい本。
というのも、基本的に宮沢章夫という個人から発する範囲内での話だから。
これはある意味弱点で、
注が結構ふってあるとはいえ、
情報収集が不足気味だという感じはいなめない。
その意味で「学問的」とは言いがたい面がある。
しかし、一つ一つの固有名詞も宮沢章夫が感じていた「匂い」とともに提供されるので、
わりとすんなり入ってくるのだと思う。

「スカだった」と言われた80年代に「あったはずの可能性」を、
現代へと接続していこうという問題意識で書かれているため、
その平易さともあいまって、
もしかしたら、学生なんかの間で、
ある種の「マニフェスト」として呼ばれそうな気がしたりする。
「機動戦でなく陣地戦だよね」とか、流行しそう。

以下どんどん雑感になっていくが、
他の80年代論への目配りが少ないというところとも絡むけど、
本書が大塚英志の「おたく」の精神史 一九八〇年代論への建設的批判として書かれた功罪があると思う。
罪のほうが大きいと思うけど、
おたく擁護に立つ大塚に対して、
やっぱり党派的な立場に立たざるをえない感じになってしまっているのが一点。
自身で二分法は嫌いと言いつつ、自分が陥っているという罠。

学問は「人」の字に似ていると思っていて、
やっぱり下で支えている方がしっかりしてないと、
上に乗る方もぐらぐらしてしまう。
大塚がしっかりしてないとは言わないけど。

ただし、読みやすさという点で言えば、
ある程度の党派性があった方がストーリーとして面白いわけで、
さらにそういった立場性が本書をマニフェスト的なものとして読ませる面もある。

と考えてみると、
当然のことながら表象文化論分科の意図としては、
学問的なことをしてもらうというよりも、
80年代のある先端にいた宮沢章夫に語らせることで、
自分達の研究の素材として引用可能なテクストを生産させた、
ということになるのではと邪推したり。
学生のためということもあるだろうけどさ。

けど本当に、
80年代を生きていない人や80年代にまだ子供だった人が、
80年代論に入っていくためには、
格好のスタート地点だと思う。
さっきの「人」という字の話でいえば、
上に乗っかっている方でなく、
下で支えていく方の本だということです。



目次など

「かっこいい」とはなにか
ニューウェーブの時代とピテカントロプス・エレクトス
西武セゾン文化の栄光と凋落
YMOの「毒」、“クリエイティヴ”というイデオロギー
森ビルの文化戦略と、いとうせいこうの「戦術」
「アングラ」はなぜ死語になったか
いろいろな質問に答える
由利徹、モンティ・パイソン、ラジカル・ガジベリビンバ・システム
それを好きと言ったら、変に思われるんじゃないか
ゼビウスと大友克洋と岡崎京子、それと「居場所がない」こと
「おたく」の研究、岡崎京子の視線、ピテカンの意味
東京の繁華街の変遷
とりあえずのまとめ―80年代と現在との接続

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2007/06/02(土) 22:36 | | #[ 編集]
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2007/06/15(金) 18:47 | | #[ 編集]
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2007/03/20(火) 06:08:30 |
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